飲食店のシェフとして働いていると、かならず必要になってくるのが包丁!
オーストラリアのキッチン専門店でも良い包丁は売っているが、種類は日本ほど豊富ではない。さらに言うと、日本の包丁も売ってはいるが、価格はかなり高め設定。
オーストラリアで Made in Japan の包丁を買おうとすると、日本での販売価格の1.5~2倍はします!
このため、これからオーストラリアでシェフとして働く可能性がある場合は、渡豪前に日本で包丁を買っておくことをおすすめする。
また、家で普段使いの包丁も切れ味の良いものを使うと料理ははかどるし、お土産としても日本製の包丁は海外で非常に喜ばれるので、日本に一時帰国した時や渡豪前に買っておいても良いかもしれない。
オーストラリアでシェフとして働いている僕が、日本で買ってきて良かった包丁を紹介します。切れ味抜群でお手頃価格の包丁を探しているのであれば、参考にしていただけると幸いです。
買って良かったおすすめ包丁
包丁にも色々種類(三徳包丁、牛刀、ペティナイフ、出刃包丁、刺身包丁などなど)があり、使用用途に応じて使い分けた方がより楽しく、快適に調理ができるとされている。
とは言え、全ての種類の包丁を取り揃えるのなんて難しいし、結局のところどれが良いのか迷ってしまいがち。
そこで、今回は実際に僕が長年使って良かった包丁2本のみを厳選してご紹介したいと思う。
藤次郎の牛刀
藤次郎(TOJIRO)の包丁をご存じだろうか?
日本を代表する刃物産地である新潟県燕三条で「最高の切れ味」をとことん追求している刃物メーカー。初心者からプロの料理人まで利用している扱いやすい包丁を取り揃えており、価格も5,000~10,000円くらいとお手頃。
この藤次郎の包丁の最大の特徴はやはり包丁の切れ味。
初めて手にした時は、正直その切れ味に恐怖を覚えるほど。軽く指にあてるだけで、皮膚が切れてしまう。
そんな藤次郎の包丁だが、おすすめは牛刀。
藤次郎の三徳包丁も悪くはないが、対応できる食材の多さを考慮するとやはり牛刀一択だ。
藤次郎の牛刀には様々なサイズ(刃渡18cm~33cm)が用意されている。
僕自身は『藤次郎 牛刀210mm(刃渡21cm)』と『藤次郎 牛刀240mm(刃渡24cm)』の2本を所持。
慣れてしまえばどちらも使いやすくはあるが、使っていてもっともしっくりくるのが刃渡21cmの牛刀かな。サーモンを捌くのも、長ネギの小口切りをする際にもかなり扱いやす包丁だ。
一方、1サイズの大きい刃渡24cmの牛刀は正直大きすぎるので、使い慣れるのに多少時間がかかる。価格も刃渡21cmよりは高くなるので、あまりおすすめはしない。
ちなみに家庭で使うのであれば、『藤次郎 牛刀180mm(刃渡18cm)』も使い勝手は良さそうかな。
藤次郎の包丁は切れ味が抜群に良いうえ、切れ味の持続もかなり長いです。
牛刀は2年くらい使っていますが、その間一度も研いでいません。
藤次郎の牛刀は海外に行く前や、一時帰国した際にはぜひ買っておきたい包丁だ。
▼『藤次郎 牛刀 210mm』Amazonレビュー ▼薄出刃包丁
出刃包丁は魚の捌くための包丁。魚の骨を切る際に刃こぼれしないように、刃元は厚くて重く設計されている。
それに対して薄出刃包丁は字のごとく刃が通常の出刃包丁より薄く造られている。このため、出刃包丁よりは重量が軽くて取り扱いやすい。
また一般的な包丁(三徳包丁や牛刀)と比べると刃に厚みがあるので、魚を捌くのにも問題はない。
魚をよく捌くが、出刃包丁が重くて苦手という人には特におすすめの包丁。
海外では入手しづらい包丁なので、日本にいるうちに買っておいても良いかもしれない。
サーモンのように骨が柔らかめの魚を三枚におろすときにおすすめの包丁です。
実際に僕もサーモンを捌くときに、最も頻繁に利用していたのがこの薄出刃包丁です。
買って良かった包丁付属品
包丁を購入すると欲しくなるのが付属品。
ここでは、実際に海外に行く前に買って良かった包丁関連の商品をいくつか紹介したいと思う。
砥石
やっぱり良い包丁を買うと次に欲しくなるのが砥石かな。
包丁を使い続けるとどうしても切れ味が悪くなってしまう。そんな時に切れ味を回復させるための必需品といてば砥石だ。ところが海外では砥石は非常に入手しずらい。というのも包丁を研ぐときにはシャープナー(包丁研ぎ機)か研ぎ棒を使うのが一般的だからだ。
シャープナーは手軽に使用できるものの、切れ味の回復は一時で的なものであり、あまり長続きしない。このため、普段使いの包丁であれば切れ味の回復にはシャープナーで充分であるが、ちゃんとした包丁の本来の切れ味を回復させたい場合はやはり砥石で丁寧に研ぎたいところだ。
砥石の選び方
砥石には『荒砥石』、『中砥石』、『仕上げ砥石』、『超仕上げ砥石』といろいろ種類がある。
日本で砥石を買って海外に持っていく場合や送ってもらう場合は、とりあえず中砥石ひとつで充分でしょう。切れ味の回復や日々のメンテナンスで粒度1,000程度のものが一つあれば十分対応できるからだ。
▼Amazon 砥石ベストセラー1位『刃の黒幕』▼
どうしても仕上げ砥石が欲しい場合は両面砥石を買うのも一つの手。かさばらないので、荷物の邪魔にもならず、発送してもらう場合は送料もそれほど高くないのでかなりおすすめだ。
包丁ケース
包丁の数が増えてくると欲しくなるのが包丁ケース。自宅のみで包丁を使う分には不要だが、職場に包丁を持ち運ぶ必要があるときには、特に必要になるアイテムだ。
オーストラリアで包丁ケースを入手しようとした場合、ネットで購入するしかない。店舗では見たことがないかな。しかもあまり安くはなく、種類も豊富ではない。
日本での価格は2,000円程度とかなり安めで、種類も豊富。もし包丁を購入する予定があるのであれば、ついでに買っといても良いアイテムだ。
個人的には布巻タイプの包丁ケースがかさばらなくて持ち運びにも便利なのでおすすめですね。
買って失敗した包丁付属品
包丁付属品の中には買って失敗だったもの、あえて海外に持っていくまでもなかったものもある。
ここでは、そんな商品を2つ紹介したいと思う。
万能砥石スタンド
砥石が滑らないように固定する台。ほとんどのサイズの砥石にも対応しており、しっかり固定することで安定して包丁の刃を研ぐことができるようになるらしい。YouTubeで包丁の研ぎ方解説動画を見たりするとこの固定台を使用していることが多いので、どうしても欲しくなり、Amazonでの評価も比較的高いということで、日本に一時故国した際に購入。
実際に使ってみての感想だが、砥石をしっかり固定することは出来るが、濡れたチャックス(不織布)の上に砥石を置いた場合とそれほど安定感に差はないような気がする。
家でじっくり時間をかけて包丁を研ぐときはこのスタンドを使っているが、キッチンで包丁をさっと研ぎたい時は結局のところ濡れチャックスで代用してしまっているにが現状かな。
個人的には、わざわざ買わなくてもいい物かなと思っています。
刃物研ぎ機
円盤型の砥石が電動で回ることで、簡単に包丁の刃を研ぐことができる機械。
包丁研ぐのもそれなりに時間がかかって大変なので、これがあれば楽じゃね?と思って購入。
実際に使ってみて両刃・片刃ともに楽に研げるが、うまく研ぐには慣れが必要かな。砥石部分が電動で回るので、刃を強くあてすぎてしまうと研ぎ過ぎてしまうので注意が必要。また、包丁を円盤にあてて研ぐ際には容器から水がポタポタ垂れるようにできているが、この水(砥どろ)が円盤の回転による遠心力でかなり飛び散る。一応飛び散り防止にスポンジが円盤の周りについているが、部屋の中で作業するのは避けた方がいい。部屋の中が悲惨なことになりかねない。
あと個人的にこの商品のマイナス評価が本体の大きさかな。炊飯ジャーくらいの大きさなのでかなり邪魔。砥石だとキッチンの隅っこに立てかけておけば良いが、これをキッチンに置いておくにはあまりにも大きすぎる。結局使わないときは倉庫にしまっちゃうので、いざ出番が来るときでも今度は倉庫から引っ張り出すのがかなり面倒になってしまう。
結論、刃こぼれしてしまった包丁の修復にはこの刃物研ぎ機は使えるが、そもそも刃こぼれなんてそんなに頻繁におきないし、またちょっとした刃こぼれであれば荒砥石で充分修復できるので、これをあえて買う必要はないかなと思った。
これ持ってたら超便利と思い購入しましたが、普段使いでは砥石で充分なため、ほとんど使っていないのが現状です。
海外で包丁研ぎのサービスでもするならまだしも、一般家庭ではまず必要がないものですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回はおすすめの包丁を紹介してみた。
オーストラリアに限らず、海外では日本の包丁がなかなか手に入りずらいのが現状。
良い包丁は一生使えるので、海外渡航前や日本に一時帰国した際に買ってみてはいかがでしょうか。
買えば切れ味の鋭さに感動を覚え、家での料理もさらに楽しくなること間違いなし!