オーストラリアに来てまだ間もない頃、子供がぎょう虫に感染しました。感染経路は当然不明です。
僕自身は子供の頃、セロファン検査をしたような曖昧な記憶もあるが、今ではそれも廃止になり、日本人としてはぎょう虫なんて遠い存在だと思っていました。
ところが、オーストラリアではどうもぎょう虫への感染はかなり一般的らしいです。そして、我が家でもご多分に漏れず、ぎょう虫感染が発生し、そして最終的には僕自身も感染しました。
ということで、今回はぎょう虫に関する内容となっております。
ぎょう虫に実際に感染した時の話(症状や対処方法)をする前に、まずはぎょう虫に関する基礎知識について書きたいと思います。『そんなもん知っとるわ』っていう人は目次から飛ばしていただいてよいと思います。
ぎょう虫の生態
ぎょう虫は英語でThreadwormもしくはPinwormです。そのライフサイクルは下記の通りです。
- ぎょう虫の人間への感染は、ぎょう虫卵が口に入ることで起こります。ちなみにぎょう虫卵は肉眼では見えないくらい小さいです。
- 口に入ったぎょう虫卵は体の中で孵化して幼虫となり、大腸・直腸で生育し、約2~3週間後に成虫になります。ぎょう虫の成虫はオスで2~5mm、メスで8~13mm程度です。
- その後、産卵期を迎えたメスは夜間に肛門から出てきて、肛門周りで産卵をします。一度の産卵で約10,000個の卵を産み付けると言われています。産卵を終えたメスの成虫は、その後体内へ戻ることなく力尽きて死んでしまいます。
- 産み付けられた卵を夜中に手で掻いてしまったり、卵が部屋の中で散乱してそれを触ってしまい、また口に運ばれてしまうことで再度感染が起こります。
意外と知られていないことだが、卵を口にさえ入れなければ、理論的には一度感染しても自然に駆除されます。
ぎょう虫の感染率
日本では終戦後70~80%の寄生率だったのが、下水道や化学肥料の普及によって昭和50年代には1%以下にまで下がっています。その後、さらに寄生率は減少しているものの、保育園や幼稚園の園児や小学校の児童で稀に感染が認められるようです。
一方、オーストラリアでは詳細なデータは見つかりませんでしたが、10歳以下の子供の内、半数が一度はぎょう虫に感染している可能性があるそうです。
要は今や日本でぎょう虫に感染することはとてつもなくレアなことですが、オーストラリアでは風邪をひくくらいポピュラーなことのようです。
ぎょう虫に感染したらどうしたらいいの?
お尻からうねうねとした寄生虫が出てきたら正直ショックを受けます。けど、慌てないことです。
思い出してください、オーストラリアでは子供の半数が1度はぎょう虫に感染する可能性があります。もはや、オーストラリアでは感染なんて普通なことです。
ということで、ぎょう虫に感染したらどうしたら良いのかをお伝えします。
まずは、ぎょう虫駆除薬を飲みましょう。
オーストラリアでのおすすめのお薬は次の項目に載せています。
そしてぎょう虫に感染していることが判明してから、次のことを2週間程度毎日やりましょう。
これがかなり面倒です。ですが徹底的にやらないとぎょう虫の卵がベットや床に散らばったり、手からドアノブ等に付着したりして、これがまた口に入ると再感染します。
再感染した場合には、当然数週間後にまたお尻からぎょう虫が出てきます。もはや無限ループ状態に入ったのではないかと思うようになり、かなり精神的にきつくなります。その間も、ずーっと毎日の朝シャワーに掃除にシーツの洗濯がありますので、ここはやはり面倒であっても徹底的に対応して、一回で完全に駆除したいところですね。
オーストラリアでおすすめのぎょう虫駆除薬
ぎょう虫駆除薬は服用タイプが基本であり、一回の服用で成虫は駆除できます。ところが、卵や発育中の幼虫には効きづらいので、2週間程度をあけて2回目の服用が必要になります。そして服用する時は、感染者当人だけではなく家族(同居者)全員の服用が必須ですので注意しましょう。
それではオーストラリアで一般的なぎょう虫駆除薬を二つほどご紹介します。
Combartrin
こちらはオーストラリアで最も一般的なぎょう虫駆除薬ではないかと思います。
お薬ですが、見た目と味は完全に板チョコです。なのでお薬が苦手な小さなお子さんでも問題なく服用できます。
ちなみに年齢・体重別で一回に服用するチョコの個数が決められています。
De worm
錠剤の寄生虫に対する駆除薬です。
このお薬はぎょう虫のみならず、腸に寄生する他の寄生虫にも効果を発揮する駆除薬になります。
錠剤ですが、オレンジ風味であり、飲み込まないで舐めて摂取しても問題ないお薬になっています。
【参考】日本で売っているぎょう虫駆除薬
日本では佐藤製薬が販売している『パモキサン錠』なるぎょう虫駆除薬が売っています。
配合成分のパモ酸ピルビニウムは腸管からはほとんど吸収されず、ぎょう虫に直接作用してすぐれた駆虫効果を発揮します。
【体験記】実際にぎょう虫に感染した時の症状
我が家では、一番最初に息子がぎょう虫に感染した時は、家族全員で薬を飲んで事なきを得ました。ところが、約半年後に息子がまたどこかでぎょう虫をもらってきたんですよね。そしてそれが判明した数日後に僕も感染しました。なので、ぎょう虫に感染するとどうなるのか、経験者として恥をしのんでお伝えしたいと思います。
初期症状
症状は夜とつじょやってきます。
ネット上では『夜間の激しいかゆみが主な症状』と書いてあったりしますが、正確には微妙に違うと思います。『激しいかゆみ』というよりも『むず痒い』が正しい表現ではないかと思います。
イメージ的には、1本の髪の毛で肛門の中心部分をツンツンとついているような感じです。
言っておきますが、実際にそんなプレーをしたことはないので、本当にその表現が正しいかわかりませんが、イメージ的にはそんな感じです。
もう本当にムズムズとして、何かが這っているような感じ(実際に這っています)で気持ち悪ささえ覚えます。やつらは糸くずくらいの大きさしかないのに、肛門付近での自己主張は半端ないです。
ぎょう虫駆除薬を服用すると…
我が家では息子が一度目に感染した時からぎょう虫駆除薬(板チョコタイプのCombartrin)を常備していたので、感染が判明してからすぐにお薬を服用しました。
その結果、翌日から肛門付近のむず痒い感覚はなくなりました。多分、一回の服用で本当に成虫の駆除できたのではないかと思われます。恐るべき効き目です。
駆除できてしまうと、もはやぎょう虫に感染していた事実さえ忘れてしまいそうになります。
本当、これが実に危ない。危うく二度目の服用を忘れそうになります。
みなさんもそこを注意しましょう!
まとめ
我が家でぎょう虫騒ぎが起こった当時(6~7年前)、オーストラリアでのぎょう虫に関する日本語の情報があまりなかったので、いつかまとめようと思っていたので、今回まとめてみました。
と言うことで、おさらいです。
ぎょう虫に感染したと判明するのは大抵薬局が閉まっている夜です。もし駆除薬を常備していないと、最低1日はやつらが潜伏しているとわかった状態で過ごすことになります。
これがとてつもなく不快です。昼間は特段やつらも行動をしませんが、それでも不快極まりないです。
なので、オーストラリアに住んでいる場合は、小さなお子さんがいるお家はぎょう虫駆除薬を常備することをおすすめします。
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