我が家のワンコは生後10ヶ月の時にここオーストラリアで交通事故にあいました。車に轢かれて大けがを負いました。今回はこの事故について、そして治療(手術)とその時の治療費について記したいと思います。
自身の飼っているペットが事故に合わないよう細心の注意を払うことが最も大切なことですが、それでも万が一オーストラリアでペットが事故に合った場合、手術費用がどれくらい掛かるのかを参考までに知っていただければと思っています。
交通事故の経緯
その日は知り合いの家にワンコを連れて遊びに行ったのですが、帰るときにハーネスつけて自分の車まで行こうとした時になぜかハーネスからワンコが抜けちゃいました。まだ10ヶ月のワンコは外で自由になったことでテンションが上がり、大はしゃぎ。
名前を呼んでも、『Stay』と言っても『Wait』と言ってもまったく聞き耳もたず。
そして最悪なことに、道路の方向に走っていっちゃいました。
名前を叫びながら必死で追いかけたものの、まったく追いつけず。例え子犬であってもその脚力にはまったく及びませんでした。
その時にちょうど車がきて、運が悪いことに道路に飛び出たタイミングと車がきたタイミングが重なり、車の下にワンコの姿が消えました。車に轢かれた瞬間『キャン』という鳴き声が聞こえて、その後はシーンとしてしまったので、正直その時点でもう死んでしまったのではないかと思いました。
ちなみにその時、外は薄暗かったので、多分車の運転手からも子犬はほとんど目視できなかったんだと思います。
車の所に駆け寄ると、そこには脚から血を流して苦しそうにしているワンコがいました。どこの骨かはわからなかったが多分骨折はしているだろうなと思いました。背骨や骨盤が骨折していないことをその時願ったことを今でも覚えてます。
外傷だけからでは、内臓がどうなっているのかはわからなかったが、口から血を吐いていなかったのがせめてもの救いでした。
あまり動かさない方が良いのはわかっていたが、道路の真ん中に置いておくわけにもいかず、とりあえずそっと持ち上げて道沿いの芝生に運んだんだけど、その時僕は手をおもいっきり噛まれました。多分持ち上げたときに相当痛かったんだと思います。
事故のいきさつはこんな感じですね。
動物救急病院への搬送
血だらけのワンコを毛布にくるんで、携帯で24時間開いている動物病院を調べて、ヒットしたのがこちらの病院。
ということで、知り合いの車の運転でその動物病院に向かいました。
事故現場からは10分もない距離だったけど、この距離が本当に長く感じました。
動物救急病院での治療
緊急動物病院に担ぎ込んでからは、すぐに治療室に連れていかれて、ガス(多分笑気ガス)を吸わされていました。多分これで少しは痛みが和らぐのではないかと思い、僕自身もホッとしました。やはり痛みで苦しんでいる姿を見るのは相当しんどいです。
獣医さんから言われたのは、これからX線を撮ったり検査したりして状態を確認していくので、とりあえず一旦帰りなさいと言われました。状態がわかり次第、電話で連絡するとのことでした。
帰宅してからすぐに電話が鳴り、出ると病院からでした。
獣医によると、今は薬で眠らせているが、脚が骨折しておりかなり重症とのこと。当病院では手術(Surgery)ができないので、明日朝7時に運搬用のダンボールを持って来院し、自身で専門病院に連れて行くようにとのことでした。
要は救急病院ではまったく治療ができないくらい重症だったということです。
この日は心配で全く寝れなかったことを今でも覚えてます。
動物救急病院でかかった費用
最初にワンコを担ぎ込んだ動物救急病院では応急処置しかしてもらえなかったわけだが、その時にかかった費用がこちらになります。
内訳をざっくり日本語で書くとこんな感じになります。
総合診断 $133.40
血液分析 $95.20
X線撮影 $318.35
超音波検査 $167.25
ICU(集中治療室)入院費 $327.35
輸液療法 $299.00
投薬 $74.90
その他(エリザベスカラー) $13.15
———————————————————
合計 $1,428.60
応急処置しかしておらず、治療は一切していない状態でこの金額です。
この後、動物専門病院に転院して本格的な治療(手術)をすることになるのですが、正直いくらかかるのかかなり不安を覚えました。
動物専門病院への転院
先の動物救急病院AECから紹介されて転院することになった動物専門病院はVeterinary Specialist Servicesという病院です。こちらの病院は最先端設備が備わった動物病院になります。
この病院はに関しては、この記事でも紹介しています。
動物専門病院での治療
動物専門病院ではすぐにワンコは治療室に運ばれ、僕は面談室に通されました。
面談室には獣医さんがおり、今後の治療方針と治療費の説明を受けました。ちなみにその時点で治療費は$5,000~$8,000位になるだろうと説明されました。そして『どうしますか?』と聞かれました。
この『どうしますか?』というのは『治療しますか?それとも辞めますか?』ということを聞いているのだと直ぐに察しがつきました。決して$5,000~$8,000は安い金額ではないです。日本人に限らずオージーにとってもポンと払える金額ではないです。きっとここで払えない場合は、安楽死を選択せざるを得ないんだろうなと思いました。これが現実なんでしょうね。
僕にとっても$5,000~$8,000は安い金額ではないですが、一つ返事で『お願いします』と言いました。
手術は転院した当日に行われ、翌日病院に行って怪我の状態の説明を受けました。
今回の事故では命に別状はなく、怪我としては右足大腿骨の骨折だけで済んだそうです。ただし、骨が完全に折れてしまったので、金属プレートを入れる手術をしたとのことです。また、完治した場合は、普通に歩けるようになるだろうとも言われました。
正直それを聞いてかなり安心しました。当初は脚の切断もありうるかなとか、内臓もやられているんじゃないか、といった懸念があったからです。
動物専門病院での手術にかかった費用
手術前には獣医さんより、おおよその治療費は$5,000~$8,000になるであろうと言われていましたが、実際の治療費がこちらになります。
手術費詳細は見てもよくわからないので省略しますが、内訳を抽出するここんな感じです。
手術費 $5,471.93
週末入院費 $781.95
—————————————
合計 $6,253.88
当初説明されていた金額の範囲内ですね。
ということで、最初に行った動物救急病院と今回の手術費を合わせると、約$7,700かかったことになります。治療費は高かったですが、とにかく命に別条がなくて良かったです。
術後の状態
術後1週間
術後3日で病院を退院したものの、1週間程度はほとんど歩けず、ずーっと横になってました。たまに立ち上がったりはしていましたが、痛みでキャンっと叫んでいたので見ている方も辛かったです。正直、もう前みたいに走り回ったりすることはできないだろうなとこの時期は思っていました。
術後2週間
徐々に歩けるように。とは言え、かなり痛々しかったと記憶しています。
トイレを補助なくできるようになったので、かなり安心しました。
術後1ヶ月
術後1ヶ月も経つと、ほぼ普通に歩けるようになりました。しかも、走ることも多少できるようになりました。驚異的回復力です。事故直後は足の切断も覚悟していたので、本当に嬉しかったです。
動物専門病院の手術費用は高かったが、医者の腕は超一流だったんだなと実感しました。
事故後の飼い主の心情
ちなみに僕自身ですが、事故を目の当たりにしたことで、今でもそれがトラウマになっています。あの事故以来、完全に柵で囲まれたドックランでない限り、放し飼いにさせて犬を遊ばせることができなくなりました。
妻はオフリードOKのビーチとかで放し飼いにしてワンコを遊ばせていますが、僕にはそれがどうしてもできません。なので犬をビーチで走らせようとした場合、僕自身も全力で走ることになるので、とてつもなく大変です。
オーストラリアのペット保険
オーストラリアの動物病院・獣医師はペット保険への加入を推奨しています。それは、ペットには人で言うところの国民健康保険(メディケア)のような制度がないからです。怪我や病気になったの場合、診察料や治療費は全額飼い主の自己負担となります。ペット保険に加入しておけば、毎月の支払いで万が一の怪我や病気の時に補償が受けられるので、金銭的な負担が軽減します。
ちなみにペット保険の平均的費用は日本だと年間約5万円弱(月々4,000円ちょい)に対し、オーストラリアでは年間$300弱(月々$25)だそうです。
ただし、保険費用はペットの年齢・種類・去勢の有無等で変わってきますし、当然保険のカバー範囲でも大きく変わってきます。
オーストラリアでペット保険の見積を実際にとってみる
オーストラリアにはペット保険を扱っている会社が22社あります。
意外なところでWoolworthsもペット保険を扱っているが、Woolworths Pet Insurance の口コミ評価(449レビュー)は5点満点中2.4点とイマイチのようです。
Bow Wow Meowというペット保険会社の口コミ評価(レビュー数2,197)が4.2点と高かったので、この会社で実際に我が家のワンコの保険がここオーストラリアでいくらになるのかを検証してみました。
※口コミ評価が5点満点中5点の会社もあったが、レビュー数が30程度と極端に少なかったので、そこはあえて外してます。
簡易見積を取るうえでは、ペットの年齢(3歳)・犬種(キャバプー)・去勢有無(実施済)等の情報を入れます。
そうしてはじき出された見積が、こちらになります。
3つのプランが提示されています。これら3つの大きな違いは、補償内容と年間補償額。
保険金が最も安い左のプランは事故・怪我に対する補償のみで、年間補償額の上限は$10,000です。歯科治療に対しては保険は適用されません。
真ん中の最も人気の保険プランは事故・怪我に加え、病気に対しても保険が適用され、年間補償額も$15,000に増額します。ただし、歯科治療に対しては保険は適用されません。
そして最も手厚い右のプランでは事故・怪我・病気に加え、歯科治療にも保険が適用されます。年間補償額は$20,000に増額します。
※今回は月払いでの見積を取っていますが、年間払いだともう少し安くなります。
冒頭でオーストラリアでのペット保険の平均的費用は平均保険額は年間$300弱(月々$25)と書きましたが、これは保険適用範囲が事故・怪我のみの場合だということが今回の確認でわかりました。
ペット保険は加入すべきか
さて、皆さんはペット保険は高いと思いますか?安いと思いますか?
個人的にはペットの保険料は車の保険料と同程度かなという感じがして、高いなという印象を受けます。ただし、事故・怪我や病気になった時の治療費はとてつもなく高いのも事実です。現に我が家のワンコが交通事故にあった時は約$8,000治療費にかかっており、これはワンコの10年分の保険料以上の金額になります。
とは言え、事故にあわなかったり病気にならなければ保険料は無駄になるなとも思ってしまいます。まぁ、それが保険というものです。
ペット保険に加入すべきかは難しい所ですね。
金銭的に余裕があれば加入したいところです。
最後に
交通事故はちょっとした不注意である日突然起こったりします。大きな事故の場合は膨大な治療費がかかるので、安楽死の選択も与えられますが、ペットを家族同然と考えている人はその選択をしないように思えます。そうなると金銭的にかなりきつい状態になります。その備えとしてペット保険に加入しておくという手段もあります。
ただし、交通事故にあうとお金の問題以上に、精神的にきつい状態になります。物言わぬ動物が辛そうにしているのを見るのは本当に心苦しいです。
なので一番大切なのは、事故にあわせないことです。皆さまも外に出る時は犬から目を離さないように注意しましょう。特に子犬の時は外でテンションが高くなり、予想外の行動を起こすので気を付けたいところです。
ブログランキングに参加していますので、良かったら応援お願いします。
コメント